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自分が山に行ったわけじゃないのに、なんだか気持ちが山に向いてしまう日々。
つい手を伸ばしてしまうのは、毎度山系の小説。 やらなくちゃいけないことがたくさんあって これから始まる慣れないあれこれもあって 気持ち的にはいっぱいいっぱいの最近なんだけど、 どんなものであれ、しばし山の雰囲気に触れると生き返れる気がする。 下界のもやもやが(…って、私がいるのは下界なんだけど) 頭の中だけでもキンと冴えた空気いっぱいの山にいることで、 なんだかどうでもよくなるみたいな。 心配ごとだって、なんとかなるさと思えたり。 happaが山に行ってきた。 正確に言えば、山に”連れてってもらった”んだけど。 <撮影:青年T> まだまだ雪の残る、新潟県は妙高山。 出発までの間、同行してくださる青年Tの指導の下 なにやら精力的に、結構なエネルギーを注いで楽しげに準備をしていたhappa兄。 冬山用の装備を借りたり、 カロリー計算をして食料を調達したり、 保険なんかにもちゃんと入っちゃったり。 で、びっくりするくらい山盛りの荷物を持って出かけて行った 5月下旬の午後11時。 青年Tがhappaを新宿で拾って、向こうまで車で乗せてってくれるんだって。 で、翌早朝から登り始めるらしく。 (おそらく、青年Tはほとんど寝ずに登山開始となったはず) 出発するとき、 「要所でちゃんとメールしてね」と言ったら 「山に行ったら、電池がなくなるからケータイの電源切っちゃう」と言う。 そうか、そうか。電波も届かないかもしれないしね。 happaの話から伺い知るところに寄れば 青年Tが一緒に行ってくれるならば、ぜんぜん心配は要らないんだけど でも、やっぱりほんのちょっとは心配してしまうのが人の親というもの。 だって、雪山初めてなんだし。 スゴイ荷物だし。 ちょっと前、高齢ではあったけどベテランを含むパーティが 春山で遭難したニュースなどが耳に新しいし。 足手まといになってないかな、とか、そんなことも気になるじゃないか。 で、唯一の情報源だったのが青年Tのツイート。 ところが。 青年Tもなかなか呟かないんだよ。 そりゃそうだよね。 あんな荷物を背負って、重力に逆らって山を登っているんだから いちいち呟いてなんかいられないのは ちょっと考えればわかること。 そのときは、そんなことには思い至らず、何かというとケータイで確認。 山にいる間のツイートはたった4つ。 「妙高外輪山。前山獲ったなう」 (初日、午前11時過ぎ) 「GPS、神」 (初日、午後4時過ぎ) 「こーぜんじ池辺りで泊まります。山頂までの高度差は500くらい」 (初日、午後4時過ぎ) 「妙高獲った。2人とも元気です。いまからキムチうどん食べます。【山頂なう】」 (2日目、午前9時前) でもね、そのポツリポツリと聞こえてくる現地からの文字が なんだかとてもよかったな。 手に取るように様子がわかってしまったら、それはやっぱりつまらないもんね。 現地の空気は、行った人だけのものだし。 ちょっと、伝達手段がたくさんなかった頃の電報みたい。 少ない言葉にたくさんのことが詰まっているような、そんな感じ。 青年Tの呟きは、私に向けられたものじゃないけど 臨場感を持って私にもまっすぐに届く文字の繋がり。 インターネットってすごいなぁって、ツイートを見ながら思いました。 特に、最後のツイートを見たときはジーンとして、 なんとも言葉にはできない感動がグイグイ押し寄せて来て。 2人ともスゴイ! 素直に2人を尊敬します。 だって、私にはできない。 20キロの荷物を持って、ザイルで結び合ったりしながら雪山に登るなんてこと。 <撮影:青年T> サラリとそっけないツイートからは想像できないけど 現地ではきっといろんなことがあったんだろうと思う。 言われてみれば当たり前だけど(でも言われなければわからなかった^^;) 雪があるっていうことは、夏の登山道はどこだかわからなくなってるということ。 でも、中途半端に雪が解けているから、太い藪があちこちから出ていて 雪山なのにバキバキと藪漕ぎしなくちゃ進めない場所が続いたり。 帰ってきて話を聞いたら 「上まで行けないかと思った~」という瞬間もいっぱいあったようで。 とにかく、部外者の私もじんわり心動かされた2日間だったのでした。 happaの帰宅予定日、我が家の夕飯は冷蔵庫の残り物整理デー。 どうせ彼は夕飯を済まして帰ってくると踏んでいたので、 当然happaのご飯のことはほぼ考えていず、 残り物を調理しながら 「何時ごろ帰ってくるのかなぁ」「終電間に合う時間かなぁ」などとぼんやり思っていたら なんと、帰ってきた! しかもhappaを車で送ってくれた青年Tと共に! で、当然母としては慌てて飛び出して 「夕飯、食べていってね」とお誘いした。 選りにも選ってこの日だけど! 後でジジ男に「勇気あるね」と言われたり happaに「至上稀に見るショボイご飯でびっくりした」 と言われた夕飯が食卓に上るこの日だけど! でも、 「夕飯が残り物で申し訳ないからお引取り願う」のと 「とんちきなご飯でもゆっくりしていただく」という選択肢があったら 私は迷わず後者を選ぶ者だ。 だってあの感動の後で、 頂上から生還した(大げさ??)2人を前にして、誘わずにいられようか!? いろいろ話だって聞けるチャンスなのに。 ご飯の後、写真を見ながら ルートの説明はもちろん、山でのいろいろをゆっくり聞かせていただいて すごく面白かった。 だって、今帰ってきてホヤホヤの、今日の出来事なんだから。 ちょっと前まで、そこにいたんだから。 山の話を聞きながら、 「あー、あの中1の夏、happaを学荘に放り込んでほんとによかったな」 って思いました。 彼はほんとに、学荘と、学荘に関わる人々に 直接的にも、間接的にも育てていただいたなと思う。 夏の、たった15日間のキャンプだけど、 夏を終えても、次の夏まで、気持ちの上で学荘が細く長く続いているみたいに、 思いがけないことでその影響を感じたりする瞬間があった。 (学業系には反映されなかったけど^^;) 彼らが回りにいてくれたおかげで、 happaが道を大きく外さずに歩けているんじゃないかと思える。 中1から高3まで、学荘リーダーズと会っているのは 時間で言えば、トータルで2ヶ月半程度(中3は抜けてるから)。 6年間のウチの、たった2ヵ月半。 それなのに、育てられたって言えるキャンプはすごい。 後で 「あまりに大変すぎて、もう山に行くのこりごりとか思う?」って聞いたら 「また行く」と言う。 そうか。いいではないか! 私もそのときには、鼻歌歌いながらhappaのことは気にしない1日を送るのだ。 私が大船に乗った気でいられるように それまでに、自分の命は自分で守れる男になってもらいましょう。
by happanappamama
| 2012-06-06 23:05
| つれづれ
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